マトスポブログ
サハラマラソン参戦記録 vol.15(全5ページ)
Mr.Number of the Beast ~その正体
第2チェックポイントでロキソニンを1錠を再度服用し、出立。
5km先の丘陵までは平坦、そこからは谷に向け降下していく。
現在スタートから約4時間。第3チェックポイントには最後の関門が設けれている。制限時刻は8時間30分。
余程のことがなければまず間に合うだろう。
そういえばいつもならこの辺りから後続に抜かれ始めるのだが、今日はその勢いが緩い。みな足の状態がよくないのだろう。
平坦な道に角ばった石が増え始め、丘陵の手前にきた頃ちょっとしたハプニングが起る。
やや俯き加減に歩いていると目の前に黒い物体が落ちてきた。
驚いて足元を確認すると、そこにはなんと帽子に付いているはずの毛虫の前立てが!
何日間も連れ添ってきた自分の影が見たこともないシルエットになっているではないか。
落ちた前立てを取り上げて留め具の箇所を確認するが幸い破損はしていないようだ。
帽子のツバに穴を開けてネジ止めしているのだが、そこが緩んで外れたようだ。
壊れたわけではないのでやれやれと思いつつコース脇の木陰向かい修理を行う。
ナイフでネジを締めていると、後方から奴らがやって来た。
「サムライさ~ん!」
凸凹コンビである。
なんだ、今日は速いじゃないか。2人が私の姿を見つけこちらに近づいてくる。
アルヴァロが「 大丈夫か? 」と心配してくれる。ナイスガイ、本当にイイ奴だ。
「一緒に行くかい?」と誘ってくれるが、ペースが合わなさそうなので少し休んでいくと伝え互いの幸運を祈り別れる。
前立てはすぐに直ったので少々の補給を取り、出立。目の前にある丘陵越えに入る。
ここで凸凹コンビに続きまた馴染みとの邂逅があった。
丘陵を登りきってしばらくすると後方から賛美歌が聴こえてきた。選手か誰かが歌っているのだろう。
「いいね~。どんな奴だろう?」と思い声の方を振り返ると、幾人かの選手とスタッフで人だかりができており、その中心に声の主がいた。
その声の主は!
なんと!
デビルマン!! ※vol.6参照
デビルマン、お前かよ!
驚いた。何たってゼッケン666。Number of the Beastが賛美歌ですもん。
しかも彼のこの歌が妙に上手い。いや・・上手すぎる。
それにこの歌とこの声はどこかで・・・。
・・・ん?んんんっ!?
あっ!?あああああ!!!!!
サハラに来た夜にテントで聴いたあれや!あの歌、あの声や!! ※vol.3参照
「デビルマン!お前やったんか!!」←思いっきり声に出ました。
馴染みの意外な正体に呆気にとられしばし呆然。
しかし面白い巡り合わせだなと思い、あの夜と同様に彼の歌声に「 ブラボー! 」と賛辞を贈っておいた。
また拍手がドッと沸いた。