マトスポブログ
サハラマラソン参戦記録 vol.12(全5ページ)
竜巻とオアシス
チェックポイントの丘を下ると、そこから先はまた同じような風景が延々と続いている。
休息により足の熱は一旦下がったようだが、そのせいかかえって痛みをはっきりと感じる。
だからといって立ち止まる訳にはいかない。ナッツを食べたり歌をうたったりしながら気を紛らわせる。
そうこうしているうちにF岡さんが追いついてきて二三言話し・・・
なんとそのまま抜き去っていった!どうやら今日のF岡さんは一味違うようだ。
調子がよいのだろうか?チェックポイントであまり休んでいないはずだ。
少し負けん気が出てきた。追いつけないにしろ、離され過ぎないよう意識的に歩幅を大きく取る。
峡がだんだんと近づき、うっすらと入口も見えてきた。
そして前いる選手数名が立ち止まり西に向かって写真を撮っている。彼らと同じ方角に目をやると・・・
竜巻だ!しかも2つ連なっている!!慌ててiPhoneを構える。
距離感がつかめないが、恐らく数百mは離れているだろうか。それにしても相当な高さだ。
竜巻には馴染みがないため、これがどれ程の規模なのか、そしてどれ程の危険性があるのかいまいち理解できないでいた。
が、正直に言って恐ろしかった。
移動速度はそこそこあるように見えるし、アレがこちらに向かってきたらどうすべきか・・。
そんなことを考え、ちらちらと竜巻の動きを確認しながら足早に峡を目指した。
峡の手前は左回りの道になっており、コースの左脇にオアシスらしきものが確認できた。
豊かな緑と、そして奥に建物がある。なにかの施設だろうか?※写真提供 旅人Mさん
そしてここで久しぶりに鳥の鳴き声を聴いた。とても癒される。
何の施設なのだろう?立ち寄りたい衝動に駆られたが、建物の近くにオフィシャルの車両が見えたので諦めた。
過去の大会でこんな話が残っている。
その年の最終ステージはゴールが街中に設定されており、選手は当然その市中を通過していく。
そこである選手が街の住人に呼び止められ、その場の流れで飲み物を貰ったそうだ。
そしてその選手は失格となった。
ルール上、外部からの補給は御法度である。完走目前で気の毒な話だが、これは教訓としなければならない。
興味本位で立ち寄ってあらぬ疑いを被ないよう、ぐっと我慢してその場を通り過ぎた。