マトスポブログ

サハラマラソン参戦記録 vol.4(全3ページ)

何気なく向かいのテントに目をやると、ややっ!ゼッケンナンバー”1”が見える。昨年のチャンピオン、モハマド選手だ。
彼は地元モロッコの方で、この大会を何度も優勝している。彼のいるテントはモロッコ出身の優勝候補ばかりのようだった。
トップ選手のサハラの過ごし方を観察できるとはラッキーだ。せっかくなので一緒に写真も撮ってもらった。

 

16時半から全体のミーティング。
フットボールチームのパフォーマンスの後、パトリック氏と進行のお姉さんがジープに設けられたお立ち台に現れ、今大会の内容説明が始まる。
ジープを要に扇状に参加者が広がり、私は先頭に陣取る。

 

各国の参加者数が紹介される。フランス、ドイツの順で多く、それぞれ300人超え。日本も紹介され、みなで歓声を挙げる。
昨年も牛の着ぐるみで完走された有名人のY山さんは個別に紹介されていた。流石である。
主催者によると今年の参加者数は1,029名でうち154名が女性。1,169名の応募があったが、国の事情により出場が不可になったそうだ。

続いてビバークでのトイレの使用方法と発煙筒の使用方法の説明。他にもあったかもしれないがこの2つが印象的過ぎて忘れてしまった。
トイレの実演はダンディな白髪の男性がコミカルに行ってくれた。トイレには便座の”枠”のみが用意されており、そこに袋を取り付けて用を足す。
便座は折りたたみ椅子の座る部分が輪になっていると思っていただければ間違いない。使用した袋はトイレ脇の回収箱へ入れる。紙は自前である。

ダンディな白髪の男性(向かって左)によるトイレ使用の実演

 

発煙筒は発射までの時間猶予や発射角の説明があり、これも実演。発射音とともに大量の煙が尾を引く。これはリタイアの合図となる。使ってみたいが使いたくない。

ミーティングはここまでで、その後夕食。この夕食までが主催者からの提供で、明日の朝食からは持参の食糧で一週間を過ごさなくてはならない。
アルコール類もしばらくお預けのため、景気づけも兼ねてワインのミニ瓶を一本空けた。

明日の第1ステージに備え念入りにフットケアを行う。持参の保湿スプレーとテント内で隣同士となった大阪のS和さんに勧めていただいたクリームを足の裏に塗りたくる。
酔いが回ってきたのでその後すぐ就寝。ダウンを着こんで寝袋に入る。昨晩よりは冷え込みが随分とマシだ。

夜中に便意を催し、少し離れたトイレへ向かう。節電のためヘッドライトはなし。
ともいうのもチェックのためにライトをバックパックに詰めた際、何かの拍子にライトが点いてしまい、チェック終了後に気づくまで無駄に電池を消耗してしまっていたからである。

トイレに設置されている袋をとり、手さぐりで便座に装着。
非常に汚い話だが、装着が甘かったようで・・その・・・何というか・・・失敗した。
暗くて何も見えないので最低限の処理をし、その場を逃げるように離れる。
私の後で一番左のトイレを使用された皆様、本当にごめんなさい・・。

用は足し切れず、お腹が張った状態のままテントに戻りもう一度就寝。
次に目を覚ませば、いよいよ夢にまで見たサハラマラソンが始まる。

ちなみにトイレの外観はこんな感じです

 

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