マトスポブログ
サハラマラソン参戦記録 vol.19(全5ページ)
散策
ワルザザートに入り、例の「グラディエーター」のセットに立ち寄ってくれたが1人50ユーロという入場料に満場一致で諦める。
イビスホテルでタクシーを降り、おっちゃんに別れを告げる。とても気の良い方だったのでお礼に少し渡しておいた。
さて、その後はこれまた満場一致で食事に向う。時刻は既に15時を大きく回っている。今食べると夕食に差し支えるが空腹の前ではそんなもの関係ない。
受取り所のあるホテルの交差点を登った先にテラスのある軽食屋を発見。ここだ、ここにしよう。
メニューはサンドイッチの類いのようだ。残念ながら酒類はおいていない。
私はクスクスとソーダを注文。出てきたのはカレーで煮た肉に卵が乗ったもの。明らかにクスクスの定義からは外れているが美味しいので問題ない。
食事後、スルタンのお茶を探しにみなで街を散策する。
通りを歩くが専門の茶屋やお店を見つけられなかったので、街の人に聞いてスーパーマーケットの場所を教えてもらう。
スーパーマーケットがある通りに赴くため路地に入る。路地に入ると成る程、「STAR WARS」の雰囲気が確かにある。
割と大きなスーパーマーケットで、幸いスルタンのお茶もすぐ見つけることができた。が、種類が多い!
どれにしようかな・・と、K岡さんと一緒に悩む。黒箱のものを手にとって見たところ、なんとサハラマラソンのロゴが入っているではないか!
他の種類も確認したが、ロゴがあるのは黒箱だけだった。ロゴ入りならお土産に丁度よいのでこれを購入。
後々両替が面倒なのでここでデュラハム紙幣は全て使い切った。あとは硬貨のみ。この硬貨が曲者で、1ユーロ硬貨、2ユーロ硬貨と非常によく似ているものがあり紛らわしい。
ちなみに全てのデュラハムにモロッコ国王の肖像が刻印されている。国王の肖像はサハラマラソンのスタート地点にも必ず飾られていた。
お茶の箱と茶葉。写真には写っていないが違う面にはサハラマラソンのロゴが入っている。紙コップはゴールの際に配られたもの。
スーパーマーケットを出たところでプチタクシーを捕まえる。もうかなりヘロヘロなのでイビスホテルまで歩きたくなかった。
緊張の糸の切れている私は完全に腑抜け状態。おじ様方は歩いて帰るとのことなので1人で出発。
市内向けのプチタクシーは運転手を除いて3人乗りのやや小さな車両。車内はお世辞にも綺麗とは言えなかったが別段不満はない。
驚いたのは途中で他のお客さんを拾い、相乗りになるということ。どうやらこれが当たり前らしく軽いカルチャーショックを受けた。
先に乗った客を優先するのか、それとも私の目的地の方が近かったからかは定かではないが、5分程でイビスホテルに到着してタクシーと相乗りの女性客は去って行った。
ちなみに料金は5デュラハム。安い!
夜
少し疲れが出たのでバーで飲み物をもらい、夕食までの間は部屋休むことにした。
放置していた左足小指のテーピングを取り、文字通り皮一枚で繋がっていた爪を完全に剥がす。せいせいしたぜ!
その後ベットに寝転がり、レース中にあったあれこれを思い出す。
はやり強く覚えているのは第1ステージの大砂丘とオーバーナイトステージの夜空。もう夢の時間ではなく、ただの思い出になるのだな。
そしてまだ完走の実感がない。仲間の多くも同じことを言っている。つくづく不思議なものだ・・。
20時になり夕食に赴く。ブッフェのメニューは変わらないがそんなものは重要ではない。
この仲間達と一緒に過ごせる時間はもうあと僅かだ。そう思いこの夜も大いに楽しんだ。
部屋に戻り、明日の出立に向けての準備をする。
乾燥させておいたバックパックに移動に必要な荷物を詰め、その他はスーツケースに放り込む。
サハラで得た宝物の数々と大人買いしたデザートローズは丁寧に梱包する。
せっかくなので宝物の数々をここに載せておこう。左からベルベル人とディスカウント戦を繰り広げたシルバーアクセサリ、世界一美味いコーラの空き缶、
第1ステージで拾ったウリ科の実、チャリティーステージの道標の石、どこで拾ったかさえ記憶にない石ころ。
役目を終えたライトセーバーには再び誤作動防止のカバーを取り付ける。
ゲーターが付いたままで砂だらけのトレイルシューズは例のトイレ袋で二重に包む。
ちなみにこのトレイルシューズの袋を帰国後開封したところ、恐ろしいほどの酸っぱい激臭を放っていたため再び封印した。
シューズに付着した足からの汗がゲーターによって乾燥を阻まれ、また袋で覆ったため熟成されてしまったのだろう。恐らく二度とその姿を見ることはないはずだ。
荷造りを終え、備え付けのペンとメモ帳を取る。
このまま仲間と別れ、これっきりになってしまうのは余りにも惜しい。
そうならぬよう、自分の連絡先を黙々とメモ帳に書き続けた。