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サハラマラソン参戦記録 vol.16(全5ページ)

2014年4月、弊社の社員である尾西基樹30歳(独身)が、世界で最も過酷とされるサハラマラソンに参戦した記録譚、第16回。

本編にて、本レースはいよいよフィニッシュを迎えます。
果たして尾西基樹(独身)はゴールすることができたのでしょうか!?

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さあ、フィニッシュを目指せ!

ここからフィニッシュまでの内訳は谷間を4km、荒地を3km、丘陵を挟んで最後は規模は小さそうだが砂丘が3km。
最早コースの内容はどうでもよいのだが、最後に砂丘を通れるのはなんだか嬉しい。

チェックポイントの出口付近には畑が多く、実家の畑でそうするように耕した箇所を踏まぬよう畦道を行く。

※写真提供F岡さん

意気は揚々と出立したが体は正直だ。谷間の砂は深く、引きづるように歩くため足を取られ、みるみる疲労が濃くなり速度が落ちる。
ギネス記録保持者のT橋さんや、例の社長の部下で同い年のN村さんにもここで抜かれていく。
だがあと少しあと少し・・。顔を上げ、毛虫の前立てに手を触れ、そう自分に言い聞かせて前を見続ける。

出立から1時間程経った頃、コースが右手方向(北西)に曲がり始める。
ここを曲がり切って少し行けば谷間は終わり、残りは5km程のはずだ。
立ち止まり、来た道と行く道、コース脇の畑を写真に収める。農作業に従事する人や重機など、人の営みが見られる。

来た道

行く道

コース脇の畑

歩きながらBluem of Youthの「 ラストツアー 」を歌う。歌詞のせいか色々なことを思い出し、そして考えさせられる。
炎天下で重い荷を持って歩く今の自分の姿が、甲子園で売り子をしていた青春時代に重なりそのときのことを。
出場を宣言した当初、周囲から怪訝な反応や否定的な意見を多く示される中、「やってみるべき。」と最後の一押しをしてくれた人のことを。

あとは、どうやってフィニッシュを飾ろうかなんてことも考え始める。
ここまでと同様に礼をして慎ましく終えるか、締めだし何かパフォーマンスのようなことをするか・・。
あっ!あぐらで座礼でもするか。それならここまでと統一感があるぞ!・・なんて具合にバカなことを考えていた。

考えごとをしていると時間が経つのが早い。これはどこにいても変わらない。そう、サハラでも。

 

それは突然やってきた。

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