マトスポが取材したノンジャンルな記事を発信

Post on 2014.07.04
タグ:

サハラマラソン参戦記録 vol.5

  • スタートへ

一先ずの作戦が決まり、ウルフルズの「ガッツだぜ!!」を聴いて気分を高めつつ準備運動。気がつくと絨毯も撤収されていた。
座る場所も無くなったので53番テントのみなで出陣前の集合写真を撮影。

 

 

前列左から、岩手のS藤さん、北海道のM浦さん、大阪のS和さん、後列左から、留学生のRくん、私、広島のK池さん、埼玉のS本さん。最後列で 両手を掲げているのが福岡のF岡さん。
我が53番テントは広島のK池さんがぶっち切りの実力者で、その他のメンツは横並びといった感じ。残念なことにこれがテントメイト8名が揃った最初で最後のものとなってしまった。

太陽からの逃げ場もないのでぼちぼちと空撮ポイントへ移動する。第29回大会の”29”を形どったコーステープの中へ誘導され、私は”9”の書き始めの位置に陣取る。
後ろにいたフランス人女性に、私と私の隣にいた留学生のRくんの荷物が対象的なのを言及される。

「 あなた達は最も重い荷物と、最も軽い荷物を持った不思議なコンビね! 」
私の荷物はフロントバックがカメラで埋まっており、そのためそこに入れるべきものが外付けされ、見た目には大層な大荷物となっていた。
一方Rくんは徹底的な軽量化を行っており、重量は下限の6kg程だった。食糧面で不安があるものの小柄なRくんに合ったこれはこれで合理的な作戦である。
空撮の開始までけっこう待たされて疲れる。大会に慣れている選手達は撮影が始まる頃にゆっくりと現れた。こういったところでも経験の差ははっきり 出てしまう。
まあどのみち”いだち”の私には頃合いまで待機なんて芸当はできはしないのだが。

 

 

ヘリによる空撮が終わり、そのままスタート地点へと移動。空に雲はなく気温はどんどん上がり、荷物の重さにもすでにうんざりし始めていた。この時点で結構な消耗である。
スタート地点にはエアアーチや、スポンサーであるお茶メーカーの巨大なバルーン製のティーポットが鎮座していた。
みな思いも思いに記念撮影などを行う。人が密集していても不思議と暑さは感じない。

 

 

お立ち台に登ったパトリック氏と進行のお姉さんによる簡単なコースのおさらいが行われ、続いて本日が誕生日を迎える選手を「 Happy Birthday 」に乗せて紹介。
楽しく愉快な雰囲気ではあるが、選手の顔には「 いいから早くスタートしてくれよ 」と書いてある。私もそう思う。ちなみにこれらは毎朝スタート前の恒例行事となる。
続いてファレル・ウィリアムスの「 Happy 」が、スタートの1分前からのカウントダウンにはAC/DCの「 Highway to Hell 」が流れる。
非常に素晴らしいもってこいの選曲である。まさにこれから「 地獄のハイウェイ 」に繰り出すのだから。
ちなみにこの「 Happy 」と「 Highway to Hell 」は、これから毎日どこかしらで耳にすることになり、多くの選手が中毒に陥った。
私も大会終了直後、これらの曲を購入している。

いよいよ始まったカウントダウンを聞きながら、これまでの苦労を(好きで始めたことなのでそう思うことは少なかったが)思い返す。
そしてなぜここまで来ようと思ったのか、その理由を今一度自分に問う。

パリまでの飛行機の中で観た映画「 LIFE! 」で紹介されていたライフ誌のスローガンを思い出す。
『 世界を見よう 危険でも立ち向かおう 壁の裏側を覗こう もっと近づこう もっとお互いを知ろう そして感じよう それが人生の目的だから 』

14ヶ月前、このレースを知れたことは天啓だと思っている。でなければここまで惹かれはしなかったであろう。
惹かれ憧れ突き進んで遂にここまで来れた。こみ上げるものがある。
あとは上記のスローガンの如く、このサハラの大地を世界中から集った仲間とともに唯唯楽しみ、そして最善を尽くしてゴールの先にあるモノを目指す!それのみ。

3、2、1、スタート!

感慨に浸っているうちに気がつけばスタート。おいおいなんてこった。
咆哮にも似た大歓声が上がり、みな一気に飛び出す!誰も彼もみな笑顔だ。
走る者、歩く者、スタート直後からペースは様々。各々の闘いがいま始まった。

 

advertisement

advertisement

1 2 3 4