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Post on 2014.06.24
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サハラマラソン参戦記録 vol.4

2014年4月、弊社の社員である尾西基樹30歳(独身)が、世界で最も過酷とされるサハラマラソンに参戦した記録譚、第4回。茶色い写真が多くなり、いよいよ砂漠感が出てきました。今回も、メディカルチェックや女神の登場、現地住民とのディスカウントバトルなどいろんなことが起こりますが、マラソンスタートはもう少し先のお話。
そして最後はトイレの話題で〆る、前代未聞の第4回、はじまるよー!

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4月5日

サハラで明かす初めての朝。そしてテクニカルチェック&メディカルチェック

空が微かに白み始めた頃、目が覚める。
天幕が見え、一瞬いま自分がどこにいるのかわからなかったが、髪と顔に付着した砂であぁサハラなのだなと理解した。

外を見ると幾人かの参加者が同じ方角を向き佇んでいる。
どうやら日の出を待っているようだ。私もすぐにそれに加わる。
徐々に世界が明るくなる中、DREAMS COME TRUEの「朝がまた来る」を聴きながら山間部から現れる太陽を眺める。
日本で見る太陽と変わりはないが、東の果てから西の果てへ万里を経てきたことを思えば非常に感慨深い。

 

さて、本日はサハラマラソン出場への最後の関門「 テクニカルチェック&メディカルチェック 」である。
テクニカルチェックとは、大会規定に則った装備品の有無や食糧の検査。
メディカルチェックとは、同じく規定に則った健康診断書の提示とその内容の検査。
この2つにパスして初めて本当の出場資格を得ることができる。

個人的にはサハラの気候より恐れていたのがこのチェックである。ここまで来て出場できませんではシャレにならない。
そんなことにならないよう不備がないか何度も確認を行ったが、最終的には昨日バスで渡されたフランス語びっしりのリストに持ち込んだ内容 を正しく記入できるかにかかっている。

このフランス語のリストは今大会が初登場のようで、事前に情報もなかったため内容の解読を53番テントで行ったが細かい箇所がよくわからない。
レストランでの朝食後、テントを代表して51番テントのRお姉様を訪ねる。

Rお姉様は昨年に続き2度目の出場のため大会の実情に詳しく、またフランス語も堪能で、我々迷えるビギナーズにとってはまさに女神様である。
お姉様曰く、少々細かい内容となっており、所持品の重量、衣類の枚数、食糧の種別とカロリー等をそれぞれのフォーマットに合わせて書き込む必要があるとのこと。

教えていただいた内容を53番テントに持ち帰り、各々リストを完成させた。みなこれで一安心という面持。

さて、肝心のチェックの開始は14時30分からなので、それまでにレースで使用するものとそれ以外に荷物を分ける(昨日早く着いた組は早い時刻から、遅く着いた組は遅い開始になるようスケジュールは組まれていた)。

レースに使用するものはバックパックに詰め、あるいは装着し、それ以外の荷物はスーツケースに詰めてチェックの際に預けることになる。
この預け荷物は大会終了後のホテルに入るまで戻ってこないため、取捨選択に誤りがあれば命取り。慎重に行う。

私が装備品に選んだものの中には全参加者の中でも稀であろう、重くそしてかさ張るモノがあった。
それはデジタル一眼レフカメラ。しかも予備バッテリ3個と小型三脚他各種アタッチメント付き。これらの総重量は1kgを軽く超えていた模様。
私のサハラマラソンの第一義はそれ自体を楽しむことであり、そしてその経験を遺したい。そのためにはより良い写真を!という考えで、それを成すための”こだわり”はレースにおいての有利不利などは思考の埒外であった。
サハラの砂は前述の通り粒子が非常に細かく、カメラ等の機器は壊れやすいためその対策が必要になる。
牛の着ぐるみの方にアドバイスいただき、防水用の袋でカメラ全体を覆い、さらに撮影時以外はフロントバック(下腹部に装着するバッグ)に収納した。
このためフロントバッグはほぼカメラ専用となり、本来そこに入れるべきものをバックパック周りに外付けしたため私の装備は一見非常な大荷物となった。だがこだわりのためには仕方のないことである。
ちなみにこの一眼レフカメラは後々非常に良い役割を担うこととなる。

さて、カメラ以外の装備品は比較的軽量なものを選んではいたが、食糧を多く準備していたため、事前の計量では合計12.5kgもあった。
ここに更にフランスで買った水で戻すフルーツ、チョコレートパックなどを足せば大体13kg程度となる。
ちょっと重いな・・・と、一瞬怯んだがここまできてあれこれ考えるのは無駄である。例のリストの重量の項に大きく”13kg”と書き込む。

荷物分けが終了しこれまた一安心。昼食までの時間を利用し、物見遊山に物品販売テントへ赴く。
小さなテントのため、混乱が起きないように入場制限のコントロールがかかっていた。
しばし行列に並び、中に入るとヘッドライトやバフ、ナイフ等の必携品が陳列されていた。
もし必要なものを忘れてしまった場合は、この日限りの販売ではあるがここで購入ができるのだ。
特に目に付くものもなかったので何も買わずテントを出た。

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