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Post on 2014.05.20
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サハラマラソン参戦記録 vol.1

2014年4月、弊社の社員である尾西基樹30歳(独身)が、世界で最も過酷とされるサハラマラソンに参戦した記録譚です。非常に貴重な体験ですので、1度に掲載するのはもったいない!ということで、連載形式でお届けしたいと思います。

ちなみに、現段階で手元3回分程度の原稿が届いているのですが、まだレーススタートに至っていません!

最初に

ほんの一年数か月前まで走ることとは無縁だった私が、30歳という節目の年にサハラマラソンと出会い、そこに至るまでの道程、そして彼の地で得た人生最高の経験を記してゆきます。
このような発表の場をいただけたことに、またサハラマラソンに出場するにあたり私を支えててくれた家族友人、後顧の憂いなく渡航できるよう、私の業務一切を引き受け快く送り出してくれた同僚に心より御礼申し上げます。

サハラマラソンとは

毎年3月下旬~4月上旬にモロッコ南部のサハラ砂漠を舞台に開催されるウルトラマラソン。
世界で最も過酷なアドベンチャーレースと言われており、今回で第29回目を迎える。主催はフランスのAtlantide Organisation Internationale。
最大の特徴は衣食住に関わる全ての物資をランナー自らが準備し、それを背負って6日間5ステージ 合計約240kmを走破すること。
ステージごとの走行距離は30~40kmが4ステージ。2日間に渡って開催されるオーバナイトステージは約80km。
以上の6日間5ステージの総合時間で順位決定され、7日目には記録とは関係のないチャリティーラン(約10km)への参加が義務づけられている。
極度に乾燥した気候で、平均気温は35℃~40℃。日中は50℃を超えることもあり、明け方は15℃程度まで下がる。
荷物の重さは個人差もありおよそ6~15kg。さらにチェックポイントごとに主催者から提供される1.5~3Lの飲料水を常に携帯する。
コースは毎年変更され、ロードブックはスタート前日に手渡される。砂丘や岩場、丘陵や山越えもあり コースは変化に富んでいる。

きっかけ

昨年(2013年)1月に放映された類似レースのドキュメンタリーを観た際に、世界中の強者が過酷な環境に身一つでに立ち向かい、苦しみ、楽しんでいる姿に燻っていた冒険心を大きく刺激された。
すぐに大会の概要や次回開催時期を確認し、努力いかんでは自分も参加可能ではないかと考え、参加を決意した。

参加にむけて

トレーニング

2013年1月の時点での私の運動能力は、日常的に行っているスポーツもなく100mも走れば間違いなく息切れするという程度のものであり、またこの頃は日頃の運動不足から身長180cmに対し体重79kg、体脂肪に至っては24%程度と、まずこのままでは参加不可能な状態であった。
大会への参加には装備品集めや様々な手続きが必要になるが、私の場合は先ずこの状態から約14ヶ月で6日間240kmを走破できる身体を得るのが急務であった。

走力を得るにはやはり走るしか道はなく、私は自宅から社までの片道約11km走を基本トレーニングとし、毎日これを走った。
膝や体の調子を考え往復走ることもあれば、負荷軽減のために片道を自転車にすることもあった。
またサハラマラソンでは前述の通り10kg前後の負荷を抱えて走るため、重さに慣れるようトレーニングでは常に同程度の重量に調節したバックパックを背負った。
天候が悪い日にはマトリックス自転車チームの安原監督の好意で、チーム用のランニングマシンを使用させていただいた。

トレーニングはサハラの気候を意識し、体温上昇による体調変化の確認と暑さへの慣れのために厚手の服装で行い、熱中症対策と給水による内臓の負荷軽減のために小まめな少量給水を習慣づけた。
その他、砂漠での足運びを覚えるために砂浜を走ったり、負荷が高い山岳コースへの適応のために金剛山での登山を数度に渡って行った。
大会ひと月前の3月初旬に、総括としてオーバーナイトステージを想定とした堺~琵琶湖間走を本番同様の装備で敢行しこれを10時間半で走りきり、走力問題のクリアとともに大きな自信を得た。
トレーニングの総距離は4,000kmに及び、身体の状態は改善され大会直前には体重71kg、体脂肪14%程度となっていた。

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