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Post on 2014.08.22
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サハラマラソン参戦記録 vol.9

2014年4月、弊社の社員である尾西基樹30歳(独身)が、世界で最も過酷とされるサハラマラソンに参戦した記録譚、第9回。
壮大な前フリにも関わらず、早々にロマンス要素が終了した前回。そんな谷を経験し、今回は山越えです!
怒涛の山越えを含む大会3日目の様子をご覧ください。

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4月8日

第3ステージ 37.5km/制限時間 10時間30分

研ぎ澄まされた朝

6時頃、いつものようにデビーさんの訪問があり、昨日の結果、水の配給時刻、スタート時刻のアナウンスがあった。
本日は8時30分のスタートのようだ。ちなみに昨日の最高気温は47℃だった模様。
空を見上げると雲ひとつない晴天だ。今日もかなり暑くなるのであろうことが分かる。

朝食のアルファ米が出来上がるのを待つ間、いつものようにロードブックで今日のコースを確認する。
37.5kmの三日月を描いたようなコースとなっている。
一直線に進めば19km程度なのだが、そんな楽はさせてくれないそうだ。

実は初日を終えた後に各ステージのコースを確認したのだが、その際に密かに今日のこのコースに恐れを抱いた。
7.7km地点まではどうということはない。多少のアップダウンはあるものの進むに易い地形だ。ここまでは作戦通り走ることができるであろう。
問題はその先。ここから初日の大砂丘の再現が始まるのだ。
途中でひとつ山を挟むが、それを除いても約14km砂丘が続くことになる。第1、第2チェックポイントにいたっては砂丘群の真っ只中にあるという配置。
ただ、地図に描かれた砂丘のサイズは初日のものとくらべ小さい。勿論あてにはできないが、願わくばその通りであって欲しい。
そして途中にある山も要注意である。サハラマラソンでは例年、キツめの山を2、3箇所挟むようでここがその第一の洗礼である可能性があるからだ。
それにしても砂丘と砂丘の間にもってくるのがなんともいやらしい。
砂丘終了後は途中に第3チェックポイントを挟み、ゴールまで約10km。コースはフラットなようなので砂丘を耐え抜くことができればここは問題ないだろう。

よし、覚悟完了。

初日を終えた後に今日のコースを確認したときは随分と嫌な印象を受けたが、今はそうでもない。
まあなんとかなるだろう。そう感じている。
そして何より、レースへ向け集中力が高まっているのを感じる。
言葉で言い表すのは難しいが、雑念がなく心がスーっと冷たく研ぎ澄まされたいる。そんな感じだ。
ゴールの目標は18時。しかしできれば9時間(17時30分)でレースを終えたいところだ。

すでにルーチンワークと化した朝の準備を終え、今日は独り足早にスタート地点へと向かう。
すでにテントは撤収されている。どこにいても日が当たるのだから、どうせなら少しでも良いスタートポジションを得ようという考えだ。
そしてスタートまでの間、今のこの高い集中力を維持したい。それにはできるだけ人の少ないところがよいのだ。

遠くからスタートのエアアーチを眺めた際には選手はまだ誰もいないように見えたが、近づいてみるとアーチの側面部にすでに数名が座って待機していた。
側面部は腰くらいの高さがあるため、座れば全身を覆う程のサイズの陰ができている。これ幸いにスタートラインに近い位置に陣取り、腰を掛ける。

眼を閉じ、リラックスする。大丈夫、落ち着けている。

15分程経った後、K池さんとF岡さんが私の前立てを目印にやってきた。立ち上がり彼らを出迎える。そして腰をアーチの上に預ける。
この位置はとてもいい。スタート前の無駄な疲れを回避できる。明日以降も早めに動いてこの位置を確保しよう。
スタート向かって右側の側面部。3日目にしてここが私のスタート定位置となった。

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