マトスポブログ

サハラマラソン参戦記録 vol.1(全2ページ)

参加登録、受診医療等

今年度のサハラマラソンの募集人数は昨年から200名増え、世界から1,200名。日本人枠は45名であった。
参加登録に際しては日本人参加者向けのサポート機関はあるものの、基本的にはフランス語の公式サイトから自ら行う必要がある。
辞書片手に四苦八苦の末、参加登録と参加費の支払いを無事済ませ、第一目的地のパリまでの航空券の手配をした。
その後はフランス語の健康診断書及び心電図の用意、予防接種(肝炎、破傷風、狂犬病他)、現地でベストを尽くせるよう各検診や整体、フットケア等、”これで大丈夫”と自ら納得がいくまで入念に心身の準備を整えた。

食糧

大会期間中の食糧(7日分)は自ら用意携帯する必要があり、外部からの一切の支援は無く、また禁止となっている。
食糧の量と選択は非常に重要で、少なければ重量による負荷が軽減される反面、ひもじい思いをしハンガーノック等の危険がつきまとう。
また多めに用意すれば安心感は得れるが、重量が肩に食い込み体力が奪われ、またそれに伴う精神的な消耗も発生する。
食糧の総カロリーは下限14,000と決められており、多くの選手は下限から20,000kcal程度に収める。
私の場合はこういった携帯食料のやり繰りの経験がないため、まずは20,000kcalを目安に食糧の選択と味見、メニュー表の作成を行った。

※クリックでPDFが開きます。本編をご覧になればわかりますが、実際はここから3分の1程度を破棄しています。参考にされる場合はくれぐれも注意を。

レース前の朝食とレース後の夕食は調理に充てる時間があるため、水やお湯でもどせるアルファ米を主食とした。
レース中の行動食としてエネルギーバーの他、ナッツ類、ドライフルーツ、干し肉等を用意した。
その他、体調維持のためのビタミン剤や給水補助のための粉末タイプのスポーツドリンク、嗜好品としてコーヒー等を準備。
現地では疲れから食欲が落ち込むと考え、食べつけが良いものを選べるように半年程前からこれらを繰り返し試食した。

服装、装備

多種多様な装備が必要となる。これらの装備集めには過去の参加者のブログ等の情報を参考にし、軽量かつ性能の良いものを第一として根気よく選んだ。
走行中のウェアやバックパックはもちろん、野営地で疲れを取るためのリカバリー用スポーツタイツ、寝袋、マット。食器類に五徳や固形燃料等といった調理器具。
シグナル用の鏡と笛、毒抜きポンプ、ヘッドライト、コンパス、ナイフ、ライター、消毒剤、日焼け止めといった大会から所持を義務付けられているものも多数ある。
その他、テーピングやフットケア用品などの医療品も必要になってくる。
サハラマラソン独特なものとしては靴に付けるゲーターを用意(砂除け。サハラの砂は非常に細かく靴の中に入るとヤスリと化すため必須)。
靴自体もレース終盤ではむくみから普段のサイズでは足が入らいため2cm大きいものを用意するのが常識とされており、私の場合は普段28.0cmなので、30.0cmのトレッキングシューズを用意しなければならず、かなり大きいサイズのため入手に時間を要した。
砂嵐等で砂が目に入らぬよう、サングラスはゴーグルタイプのものを選び、首に巻いて口を覆える”バフ”も用意した。
トレーニングである程度の走力は得れたもののサハラを乗り切るにはまだまだ未熟なため、走行の補助として折り畳みのストックも準備した。

ウェアは日焼けによる体力消耗を避けたかったので、上下とも長丈のものを着用。
せっかくの晴れ舞台なので、後々写真等で自分とすぐ分かるよう帽子には一工夫施した。
日の丸等は他の参加者も用いることが予想できたので、私の卒業論文のテーマである日本の変わり兜を模すことにした。
と、言っても帽子の前面に所謂「前立て」に見立てたものをちょこっと取り付けるだけである。
先ずは市販のたわしを解き縦長にし、そこに天照皇大神宮の御札を灼熱の太陽からの御守りとし貼り付けたものを帽子に装着して完成。
他の参加者にこれは一体なにかと尋ねられるであろうことが予想できたので、帽子後部の日除け部分に英語でその意味を記載した。

”This modeled a Wooly Bear. They don’t retreat. keep moving forward. And that’s a symbol of the soul of the SAMURAI.”
(これは毛虫を模したものです。彼らは後退はしない、前進あるのみ。そしてそれは侍の精神の象徴です。)

きっと日本文化好きな参加者へのつかみにも大いに役立ってくれよう。またこの「毛虫の前立て」を今大会へ賭ける自らの意気とした。

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