マトスポブログ

サハラマラソン参戦記録 vol.19(全5ページ)

世界遺産「アイト・ベン・ハッドゥ」

荷物を一旦部屋へ置き、一眼レフカメラを携え再びロビーに赴く。ロビーにはすでに世界遺産に赴こうという日本人数名が待機していた。
雑談しているとフロントのスタッフ2名がこちらをジッと見ている。どうやらライトセーバーが気になるようだ。
彼らにライトセーバーを1本ずつ手渡し、煽る。
「ファイト!」
満面の笑顔で戦い始める彼ら。感無量である。ちなみに宿泊客そっちのけ。おおらかでとてもよい。

ちなみに彼らはライトセーバーが何か分かっていなかった。どうやらワルザザートの住人にとって「STAR WARS」は誰しもが知っているというものではないらしい。

丁度よいタイミングなので、彼らにアイト・ベン・ハッドゥ行きのタクシーがないか尋ねる。
事前に調査したところモロッコでは市内を走る短距離のプチタクシーと長距離を走るグランタクシーが存在し、
アイト・ベン・ハッドゥへはこのうちグランタクシーを何人かで乗合いして行くのが一般的だという。
バスなどを乗り継いで行くには非常に面倒くさいところにあるらしい。
フロントのスタッフも慣れたもので、すぐ何処かに電話をかけ始めた。タクシーは5名乗りですぐ来てくれるという。
料金は往復で500デュラハム。ちょっと高いなという顔をするとスタッフの1人が右手の親指と人差し指を合わせて2、3度擦る。
なんだ?幾らか掴ませれば安くしてくれるのか?でも丁度5名で割り易い数字なのでスルー。すまないね。

10分と経たずにタクシー到着。53番テントのK池さん、F岡さん、S藤さん、ギネスのT橋さん、そして私の5名でそそくさと出発。
この後の便はタクシーが捕まり難く難儀したらしい。
グランタクシーは運転席、助手席、2人掛けの後列シートが2列ある。運転手さんはサングラスの似合う渋いおっちゃんだ。
行き先は伝わっているので早速出発!・・しましたが、ライトセーバーをロビーに忘れたので取りに戻ってもらいました。

アイト・ベン・ハッドゥはクサルと呼ばれる要塞化された村のひとつ。映画「アラビアのロレンス」のロケ地にもなっている。
運転手のおっちゃんは人が良く、ここはアレここは何と単語で解説を入れてくれる。
ワルザザートを抜ける際、右手に巨大な施設が見える。あれはなんだと尋ねると映画「グラディエーター」のセットだと言う。
撮影の際に使用されたセットがそのまま保存され、見学できるらしい。興味があったので帰りに寄ってくれと頼む。

郊外に出るとアスファルトの路肩が大きく削れ、2車線の道路が3分の2くらいの幅になっている。
道行く車両は車が1~2割、バイクは5割以上が日本のメーカーのものに見えた。
ワルザザートを出て40分程経った頃、時刻でいうと13時前。急にタクシーが右の路肩に入る。路肩の奥は広くなっており、幾つかの露店が出ていた。
何だろう?おっちゃんに促されて外に出、彼の指差す方に目をやると・・
モロッコが誇る世界遺産「アイト・ベン・ハッドゥ」が見えた!

どうやらここはアイト・ベン・ハッドゥが一望できるポイントのようだ。おっちゃんにお礼を言い、撮影タイム。
絶景に満足した後は露店の品を見る。おっちゃんと露天商のやり取りを見るに、持ちつ持たれつの関係なのであろう。
そしてここで私が探し求めていた”あるもの”を見つける。
それは”デザートローズ”。直訳で砂漠の薔薇。石膏や重晶石でできており、本来は透明なのだが結晶化の際に砂と一体化したものである。
モロッコのお土産としてポピュラーなものであり、私も友人知人へはこれを贈ろうとずっと考えていた。
デュラハムがあまりなかったのでユーロで幾らになるか尋ねる。価格は1個5ユーロ。高いよ!
ちなみに1ユーロ=100デュラハム。実際のレートだと1ユーロは100デュラハム以上の価値があるのだがこれが一般的。
なのでユーロで買おうとすると多少の損をすることになる。両替のタイミングがほぼなかったので仕方ないのだが・・。
みんなを待たすのも申し訳ないので、結局1個4ユーロで手を打つ。そしてそれを42個の大人買い。これにはおっちゃんも苦笑い。
好みの形のものを1個ずつ選んでゆき、露店商に貰ったダンボールの中の新聞紙に詰めてゆく。
多少割高だったが、目的のものを一気に手に入れれたのでよしとしよう。
このデザートローズは友人や同僚などに配り、仲の良い仲間には先に採集した砂丘の砂と併せて贈った。

ギネスのT橋さんは定番の蛇マフラーに挑戦!T橋さんめっちゃ笑っておられる。ちなみに右端に写っているのが運転手のおっちゃん。

再びタクシーに乗り込み、アイト・ベン・ハッドゥの登り口に移動。登り口といっても町中の路地を通っていくようなところである。
観光の町といった趣きで、商店が軒を連ねている。おっちゃんは1時間程したら戻ってくるという。デザートローズも車に預かってもらう。
ちなみにおっちゃんの知人の有料ガイドをつけられそうになったがそれはお断りした。ごめんねおっちゃん。

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