マトスポブログ

サハラマラソン参戦記録 vol.10(全4ページ)

この辺りから急激に足が痛み始める。
新たにできた水ぶくれはもちろん、処理を施した箇所も擦れによって痛みを伴っている。
それだけなら我慢はできる。だが足の裏に軋むような蓄積された痛みを感じる。
足を石に乗り上げたりするとこれが非常に辛い。

そして耳元も痛い。これはサングラスによるものだ。何時間も装着していると、だんだんと締め付けが出てくる。
文字にすると何てことないように思うが、小さな痛みでも延々何時間も味わうのは気が滅入る。
眼へのダメージが心配なためサングラスを外すことはできない。仕方ないので耳の側面に挟む形でごまかす。
このサングラスはアタッチメントとしてレンズ周りにゴーグルのようにゴムを付けれるのだが、
耳に挟むとゴムと目の周りに隙間ができ、せっかくの砂嵐対策のアタッチメントの意味がなくなってしまう。
だがサハラに到着して今日ですでに5日になるがまだ一度も砂嵐に遭遇していない。同じく砂嵐の際に口を覆うバフも全くの未使用である。
今大会は天候としては安定しているといえる。風がなくて辛いといっても、砂嵐の脅威にさらされるよりはずっとよいそうだ。

しかし砂嵐対策の装備が要らなかったというのは結果論に過ぎない。
現に大会開催の一週間前には時速100kmの激しい砂嵐が巻き起こっていたという。
様々な状況を想定して装備を準備する。だが一方で装備の軽量化、簡略化を計る。
一見相反するこの二つを実際の状況をイメージして上手く纏めるのもアドベンチャーレースの醍醐味だろうと思う。
私は経験の浅さから中々の大荷物となったが、それでも一年以上毎日サハラのことばかり考え、そして準備していた。
実力は劣っていても誰よりも準備に余念がなかった。その自負はある。
勿論、想像以上のできごとは多々起っているのだが、その裏打ちによって上手く対応できている。

痛みへは対策としてロキソニンの錠剤を準備してきた。
痛み止め薬はメディカルでももらえるのが、できれば自分の体に合うものを用意した方がよい。
現に同じテントのK池さんはサハラで初めて使用した痛み止めが合わず、体調面で色々と苦労をされたようだ。

痛み止めは下位になればなるほど使用率が上がると思われる。痛んだ足その他を麻痺させ、どうにかその日の終わりまで身体を持たせるのだ。
だが、所詮ごまかしにすぎない。痛んだ箇所を無視して進むのだから、効果が切れる頃には状態は更に悪化している。
だがそれでも、最終的にどんなに酷い状態になっても構わない。一週間なんとか持たせて完走を果たしたい。みんなそう考えている。

多用すれば当然効用が落ちてくるため、私はここまで持ち込んだ10錠のロキソニンに手を付けていなかった。
だが痛みはいよいよ耐え難く、また恐らくこれを多用することになる明日のオーバーナイトステージのためにも一度効き具合を確かめておく必要がある。

ではいつ飲むか?

 

 

今でしょ!

・・・・・。医療品を詰め込んでいるフロントバック脇のポケットからロキソニンを取り出し、1錠飲む。
効き目が出るのは30分~1時間後くらいだろうか?
それまではこのまま痛みに耐えなければならないが、幸いすぐに石の少ない砂地に変わっていく。

周りの景色は単色で相変わらずの殺風景だ。だが、日本では見られない風土を目に焼き付ける。

ちなみに、石場の終わりには大会とは関係のないこんな看板があった。オアシスこっちだよってことだと思う。

すでに半月型コースの終盤。ほぼ北に向かって歩を進める。

ロキソニンを飲んで1時間近く経ち、なんだか痛みが楽になってきたかな?と感じ始めた頃、この日最後のチェックポイントが見えた。
※写真提供F岡さん

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